カテゴリー: 多摩市生きもの調査隊

  • 多摩市の大栗川沿いで外来種タイワンタケクマバチを観察 ― iNaturalistの記録から見る分布拡大

    多摩市の大栗川沿いで外来種タイワンタケクマバチを観察 ― iNaturalistの記録から見る分布拡大

    本日(2026年10月10日)、多摩市東寺方の大栗川沿いで、キバナコスモスに訪花している外来種のタイワンタケクマバチを観察しました。同じ場所では、在来種のキムネクマバチも同じキバナコスモスに訪花していました。

    私自身がタイワンタケクマバチを見たのは今回が初めてです。せっかくの機会なので、どんなハチなのか、そして市民参加型の生きもの調査プラットフォーム「iNaturalist」の記録から見て、国内や多摩丘陵でどのくらい広がっているのかを、ざっと整理してみました。

    キバナコスモスに訪花するタイワンタケクマバチ(多摩市東寺方、2026年10月10日)
    キバナコスモスに訪花するタイワンタケクマバチ(2026年10月10日、多摩市東寺方・大栗川沿い)。iNaturalistの観察記録はこちら
    同じ場所でキバナコスモスに訪花する在来種のキムネクマバチ(多摩市・大栗川沿い、2026年10月10日)
    同じ場所でキバナコスモスに訪花する在来種のキムネクマバチ(2026年10月10日、多摩市・大栗川沿い)。iNaturalistの観察記録はこちら

    この記事のポイント

    • タイワンタケクマバチは、竹に巣をつくる外来のクマバチ。2005年頃に愛知県で見つかり、各地に広がっています。
    • iNaturalistの国内記録は2023年以降に急増。関東でも2024年から記録され始めました。
    • 多摩丘陵では今年2026年6月に多摩市と町田市で初記録。多摩市ではすでに5件の記録があります。

    タイワンタケクマバチとは

    タイワンタケクマバチ(タケクマバチ)Xylocopa tranquebarorumは、ミツバチ科クマバチ属の大型のハナバチです。もともとは台湾や、中国大陸南部からインドにかけて分布しています。

    国内では、2005年頃から愛知県豊田市で全身が黒いクマバチが見られるようになり、のちに本種と判明しました[11]。2006年には愛知県と岐阜県で確認記録があります[1][4]。輸入された竹材に紛れて入ってきたと考えられています[1]。愛知県の個体群は、ミトコンドリアDNAの解析から中国大陸由来と推定されています[4]。

    名前のとおり竹と縁の深いハチで、枯れた竹に直径2〜2.5cmほどの穴を開けて巣をつくります。屋外の竹垣や竹柵、竹ぼうき、熊手などの竹製品も巣として使われます[5]。愛知県での調査では、主に直径19〜25mmほどの直立した枯れ竹が使われ、青竹は使われませんでした。畑の竹支柱などに営巣して、経済的な被害も出ています[11]。

    体長は約20mmで、翅は褐色です[6]。生活史はキムネクマバチとよく似ています。4月に交尾し、雌が単独で枯れ竹に巣をつくって、5〜7月に花粉団子を蓄えて子育てをします。新成虫は7月下旬〜8月に羽化し、そのまま巣の中で越冬します[11]。

    キムネクマバチとの見分け方は、次のとおりです。

    タイワンタケクマバチ(外来種)

    • 全身ほぼ黒色で、胸に黄色い毛はない。雌は頭・胸・腹とも黒色[6]
    • 雄は顔面が白〜黄色で、胸部の毛は白っぽい[10][11]
    • 巣は枯れ竹につくる[11]

    キムネクマバチ(在来種)

    • 胸部の背面が鮮やかな黄色い毛でおおわれる[11]
    • 巣は枯れ枝につくる[11]

    性質はキムネクマバチと同様に温厚で、人に積極的に攻撃してくることはありません。ただし、巣に近づくなどして刺激すると刺すことがあります[5]。

    国立環境研究所の侵入生物データベースは、影響として次の3つを挙げています[1]。

    • 本種に寄生するダニが、在来種のキムネクマバチにも寄生する
    • 竹に穴をあけるため、竹材の品質が劣化する
    • 竹柵などの利用者を刺すことがある

    一方で、愛知県で両種を比べた調査では、2種は同じ花を訪れるものの、競合している様子は見られませんでした。営巣場所も、本種は枯れ竹、キムネクマバチは枯れ枝と分かれているため、生態的に競合する可能性は低いとされています。

    ただし、本種に寄生するダニについては、在来の寄生ダニに置き換わる可能性などが懸念されています[11]。

    法律上の扱い

    タイワンタケクマバチは、外来生物法に基づく「特定外来生物」や「未判定外来生物」には指定されていません[2]。また、環境省・農林水産省が2026年9月11日に公表した「生態系被害防止外来種リスト」第2版の昆虫類にも掲載されていません[3](いずれも2026年10月10日に確認)。

    つまり、外来生物法による飼養・運搬などの規制の対象ではありません。

    なお、侵入生物データベースには、ミツバチ類が家畜伝染病予防法の指定検疫物にあたることも記されています[1]。

    一方で、愛知県では条例に基づく「公表移入種」とされ、県内で野外に放つことなどが禁止されています[1]。

    文献に見る国内での分布拡大

    2006年の初記録のあと、本種は中部地方を中心に分布を広げてきました。2020年の時点で確認記録が報告されていたのは、埼玉から鳥取までの15府県です[4]。侵入生物データベースでは、国内の移入分布が富山・石川・福井・埼玉・神奈川・山梨・長野・静岡・愛知・岐阜・滋賀・奈良・三重・京都・大阪・兵庫・鳥取・島根・岡山・福岡の20府県とされています[1]。

    もっと詳しく:愛知県での拡大速度の推定

    愛知県では、2009年に合併前の豊田市全域、2011年には県内全域に広がっています。このことから、1年(1世代)に少なくとも4km以上のペースで分布を広げている可能性が推定されています。ただしこの推定には、調査開始前にすでに広く分布していた可能性や、営巣した竹支柱が人に運ばれた可能性も含まれています[11]。

    西日本では拡大が特に速いことがわかってきました。島根大学の研究グループによると、山陰地方では2018年に鳥取市、2021年に島根県大田市で確認されました。

    その後は海岸線に沿って西へ急速に広がり、島根県では2024年に調査した10か所の海浜のうち8か所で採集されています。2026年の研究では、山陰地方での拡大が、愛知県で推定された速度(1世代あたり4km以上[11])を上回る可能性が示唆されています[7]。

    iNaturalistの記録から見る広がり

    では、iNaturalistに投稿された観察記録を見てみましょう。日本国内のタイワンタケクマバチの記録を、2026年10月10日時点ですべて集計しました[9]。

    国内の記録は553件で、341ユーザーが投稿しています。このうち、「カジュアル」3件を除いた550件を集計の対象としました。記録がある都府県は25にのぼります。

    年別に見ると、2022年までは年に10件前後でしたが、2023年に49件、2024年に94件、2025年に117件と増えました。今年(2026年)は10月10日までで250件と、すでに昨年の2倍を超えています。

    iNaturalist上のタイワンタケクマバチ観察記録数(日本、観察年別)。全国の記録数に関東の記録数を重ねて表示
    iNaturalist上のタイワンタケクマバチの観察記録数(観察年別)。青が全国、オレンジがそのうち関東(東京・神奈川・千葉)の記録。2026年は10月10日までの集計。

    関東の記録は、2024年6月の東京都練馬区が最初です。2025年には神奈川県伊勢原市と千葉県松戸市で記録されました。今年2026年に入ると22件(神奈川県14件、東京都8件)に急増しています。

    なお、2018年の研究では、耐寒性と各地の年最低気温の比較から、本種は将来、関東以西の西日本に広く分布し、関東ではさいたま市や前橋市の付近まで広がると予測されていました[11]。

    西日本でも拡大が続いています。島根県はiNaturalistでの初記録が2025年で、今年は18件に増えました。四国では、香川県(2025年)、徳島県・高知県(2026年)で初めての記録が投稿されています。鳥取県は文献上2018年に確認されていますが[7]、iNaturalistへの投稿は今年が初めてです。

    多摩丘陵では今年(2026年)から記録が増加

    多摩丘陵を周辺地域を含めて詳しく見てみます。東京都側では、2024年6月に練馬区で関東初となるiNaturalistの記録があり、今年は8月に世田谷区と瑞穂町でも記録されました。

    神奈川県側では、2025年7月に伊勢原市で記録された後、今年3月以降、愛川町、相模原市、厚木市、座間市、海老名市など、相模川沿いの市町から記録が相次いでいます。山梨県東部の上野原市でも、今年8月と10月に記録がありました。

    タイワンタケクマバチの観察地点(多摩丘陵とその周辺)。iNaturalistの記録を観察年で色分けし、市区町村の境界とネイポジ多摩丘陵の調査地域を重ねた地図
    多摩丘陵とその周辺の観察地点(iNaturalistの記録を観察年で色分け)。細い線は市区町村の境界、茶色の範囲はネイポジ多摩丘陵の調査地域です。同じ範囲をiNaturalistの地図で見る

    多摩丘陵では、今年6月から多摩市と町田市で記録が出始めました。多摩市の初記録は2026年6月16日(落合)です。その後、多摩中央公園(6月に2件)、落合(9月)、そして今回の私の観察(10月、東寺方)と続き、多摩市の記録は今年だけで5件になりました。

    多摩丘陵(拡大図)のタイワンタケクマバチ観察地点。市区町村の境界、ネイポジ多摩丘陵の調査地域、観察月日のラベルを表示
    多摩丘陵の拡大図。破線は市区町村の境界、ラベルは観察した月日で、赤い丸が今回の観察地点です。調査地域内の記録をiNaturalistの地図で見る

    iNaturalistで見る限り、多摩丘陵の記録はすべて今年のものです。多摩丘陵は、2024年から記録のある東京都区部と、2025年以降に記録が増えている相模川流域との間に位置しています。どちらの方向から広がってきたのか、あるいは別の経路によるものなのか、侵入経路は観察記録だけでは判断できません。

    なお、iNaturalistでの「初記録」は、その地域に初めて侵入した時期とは限りません。たとえば兵庫県では文献上2016年に確認されていますが、iNaturalistの初記録は2023年です[8]。また、近年の記録数の増加には、本種の分布拡大に加えて、iNaturalistの利用者が増えたことも影響していると考えられます。

    iNaturalistの記録は、利用者がどこに多く住み、どこで観察しているかにも左右されるため、記録の多い地域が必ずしも本種の多い地域とは限らない点にも留意が必要です。ただ、こうした影響を考慮しても、全国の記録数がはっきりした増加傾向を示し、記録のある地域が年々広がっていることは読み取れます。

    一方、多摩市を中心とする多摩丘陵では、多摩市生きもの調査隊やネイチャーポジティブ多摩丘陵プロジェクトの貢献もあって、近年、熱心な観察者が集中して観察を続けており、ほかの地域に比べて調査密度が高いことは明白です。そのため、本種がこの地域に入ってくれば早い段階で記録されやすく、今年の記録の増加は、この地域への侵入状況をかなり明確にとらえていると考えられます。今後、多摩丘陵での記録はさらに増えていくことが予想されます。

    キムネクマバチに比べて黒っぽいクマバチを見かけたら、ぜひ写真を撮ってiNaturalistに投稿してみてください。身近な記録の積み重ねが、外来種の広がりを知る手がかりになります。(渡辺仁)

    参考文献・出典

    1. 国立環境研究所「侵入生物データベース:タケクマバチ(タイワンタケクマバチ)」https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/60530.html(2026年10月10日閲覧)
    2. 環境省「特定外来生物等一覧」https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/list.html(2026年10月10日閲覧)
    3. 環境省・農林水産省「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)第2版」<動物(昆虫類)>(2026年9月11日公表)https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/iaslist.html(2026年10月10日閲覧)
    4. 柴田剛(2020)小野市と明石市でタイワンタケクマバチを確認.きべりはむし,43(2): 55.PDF
    5. 神戸市「タイワンタケクマバチ」(2025年)PDF
    6. 山梨県「タイワンタケクマバチ」PDF
    7. 宮永龍一・清水加耶・小山凜斉(2026)山陰地方におけるタイワンタケクマバチの分布拡大について.ホシザキグリーン財団研究報告,29: 139–142.島根大学学術情報リポジトリ
    8. 近藤伸一(2023)タイワンタケクマバチの生態観察(朝来市・三木市).きべりはむし,46(2): 34–37.PDF
    9. iNaturalist.Xylocopa tranquebarorum の日本国内の観察記録(2026年10月10日取得)https://www.inaturalist.org/observations?taxon_id=502613&place_id=6737
    10. 東輝弥(2023)タイワンタケクマバチ (Xylocopa tranquebarorum) の行動観察.きべりはむし,46(1): 26–27.PDF
    11. 山岸健三・佐々木隆行・加藤真梨奈(2018)外来種タイワンタケクマバチ(Xylocopa tranquebarorum)(ハチ目,ミツバチ上科)の日本における分布拡大と在来種への影響.名城大学農学部学術報告,54: 7–16.AgriKnowledge
  • 多摩市の公式YouTubeで「多摩市生きもの調査隊」が紹介されました

    多摩市の公式YouTubeで「多摩市生きもの調査隊」が紹介されました

    多摩市公式YouTubeチャンネルの「多摩市からのお知らせ」で、多摩市生きもの調査隊の活動が紹介されました。

    動画では、親子の調査隊員が、身近な生きものを見つけて記録する調査隊の活動をわかりやすく紹介しています。当センターの代表理事も出演しています。ぜひご覧ください。

    動画:多摩市の自然を未来へ 多摩市生きもの調査隊 編(多摩市からのお知らせ)(多摩市公式チャンネル)

  • 「多摩市生きもの調査レポート 2020-2025」が公開されました

    「多摩市生きもの調査レポート 2020-2025」が公開されました

    多摩市は2026年3月31日、「多摩市生きもの調査隊」の取り組みの成果をまとめた「多摩市生きもの調査レポート 2020-2025」を、市の公式ホームページで公開しました。当センターは多摩市からの受託により、このレポートの企画・編集・制作を担当しました。

    多摩市生きもの調査隊は、2024年4月に多摩市と当センターが協力して結成し、市民のみなさんがiNaturalistで身近な生きものを記録してきました。レポートには、プレ調査を含む2020年1月から2025年12月までの記録をまとめています。

    数字で見る調査結果

    • 観察記録:100,363件(うち研究用グレード70,182件)
    • 確認された生きもの:2,065種
    • 観察者:189人

    市内で暮らす人だけでなく、世界中のiNaturalistユーザーが同定に協力してくれたことで、10万件を超える記録が研究にも使えるデータとして積み上がりました。

    レポートの内容

    • 調査結果(観察地点マップ、分類群別の記録数)
    • 生きものロケーションガイド
    • 多摩市の生物多様性ホットスポット(雑木林、草地、河川、水田・池・湿地)
    • 絶滅危惧種などの重要種
    • 外来種
    • 気候変動による生息域の変化
    • ネイチャーポジティブへの参加の呼びかけ

    調査隊員のみなさん、同定に協力してくださったみなさんに、あらためて感謝申し上げます。レポートは、多摩市のホームページからどなたでもご覧いただけます。

    多摩市生きもの調査隊の取組結果を取りまとめました~多摩市生きもの調査レポート~(多摩市公式ホームページ)

    多摩市生きもの調査レポート 2020-2025(PDF・15.3MB)

    表紙画像の出典:多摩市「多摩市生きもの調査レポート 2020-2025」(2026年3月)

  • 多摩エコ・フェスタ2026に出展しました

    多摩エコ・フェスタ2026に出展しました

    2026年2月28日(土)・3月1日(日)の2日間、パルテノン多摩と多摩中央公園を中心に開かれた「多摩エコ・フェスタ2026」(テーマ:みんながエコでつながるフェスティバル)に、当センターが出展しました。

    展示:多摩市生きもの調査隊の成果を紹介

    パルテノン多摩オープンスタジオのブースでは、多摩市生きもの調査隊のこれまでの調査成果をパネルで紹介しました。会場の大型モニターでは、調査隊員の佐藤さん(m_sato)と渡辺が撮影した多摩の野鳥の動画を放映しました。

    ブースの目玉は、市内で記録された生きものの写真を一面に並べた「生きものタペストリー」です。パルテノン多摩の特別展のために調査隊員の協力を得て製作したもので、今回あらためて展示しました。足を止めて、見覚えのある生きものや自宅の近くで見かけた生きものを探す来場者の姿が多く見られました。

    発表「こんな生きものが多摩にいた!」

    両日とも14時からは、ブースで「こんな生きものが多摩にいた!— 調査隊が出会った生きものたち、勢ぞろい! —」と題して、市内で出会った動物、植物、キノコまでを写真で紹介しました。

    水鳥観察会

    3月1日(日)11時からは、多摩中央公園で「北からの渡り鳥を探してみよう — 多摩中央公園水鳥観察会 —」を行い、冬の水鳥を観察しました。

    TAMAサスティナブル・アワードの表彰状も展示

    2月28日には、同じく多摩エコ・フェスタの会場で、当センターが「TAMAサスティナブル・アワード2025-2026」グッドライフスタイル部門の表彰を受けました。ブースでは、いただいた表彰状もあわせて展示しました。くわしくは受賞のお知らせをご覧ください。

    展示した表彰状
    展示した表彰状

    ブースにお立ち寄りいただいたみなさま、運営にあたられた多摩エコ・フェスタ2026実行委員会のみなさま、ありがとうございました。

    多摩エコ・フェスタ2026(多摩市公式ホームページ)

  • TAMAサスティナブル・アワード2025-2026 グッドライフスタイル部門を受賞しました

    TAMAサスティナブル・アワード2025-2026 グッドライフスタイル部門を受賞しました

    令和8年(2026年)2月28日(土)、パルテノン多摩市民ギャラリーで開かれた「多摩エコ・フェスタ」において、当センターが「TAMAサスティナブル・アワード2025-2026」グッドライフスタイル部門を受賞し、多摩市長から表彰を受けました。

    TAMAサスティナブル・アワードの横断幕の下で、NPO東京生物多様性センターが表彰を受ける様子
    多摩エコ・フェスタでの表彰式(2026年2月28日、パルテノン多摩)

    受賞の対象となった活動

    多摩市とともに立ち上げた「多摩市生きもの調査隊」の取り組みが評価されました。市民が主役となって身近な生きものを記録する調査で、2020年1月からの約5年11か月で、191名により2,047種・97,879件の観察情報が投稿され、特定外来生物の早期発見にもつながっています。

    この活動は、2017~2018年に実施した多摩市ツバメ調査から始まりました。ツバメ調査に参加した有志の「ツバメだけでなく、多摩市の自然をもっと知りたい」という思いから、2020年1月にスマホアプリiNaturalistを使った「多摩市生きものさがしプロジェクト」を開始。多摩川・大栗川・桜ヶ丘公園で毎月の定例調査を続けながら、市内の公園や緑地での観察記録を集めてきました。2024年4月からは多摩市と協働し、「多摩市生きもの調査隊」として市内全域に広げています。

    集まった記録のうち、複数の人によって種名が確かめられた記録は、国際的な生物多様性データベース(GBIF)にも格納され、保全や研究に長く活用されます。絶滅危惧種や特定外来生物の記録も含まれており、地域の自然を守るための基礎データとなっています。

    多摩市長から表彰状を受ける当センターの代表
    多摩市長からの表彰状の授与
    展示した表彰状
    いただいた表彰状は、多摩エコ・フェスタの当センターのブースでも展示しました

    応募時の記録

    • 観察を投稿した人:191名
    • 記録された生きもの:2,047種
    • 観察情報:97,879件
    • 同定に協力した人:世界中から1,990名

    2020年1月から2025年11月21日までの記録(応募書類より)。

    ご協力いただいた皆さまへ

    今回の受賞は、日々観察を投稿してくださる調査隊の皆さま、種名の確認に協力してくださるiNaturalistの利用者の皆さま、そして調査をともに進めてくださっている多摩市のおかげです。心より御礼申し上げます。これからも、市民の皆さんと一緒に多摩市の自然を記録し、その豊かさを守る取り組みを続けていきます。

    関連リンク

  • パルテノン多摩 特別展「多摩市の生きもの大集合!」に企画制作協力しました

    パルテノン多摩 特別展「多摩市の生きもの大集合!」に企画制作協力しました

    2025年6月21日(土)から7月29日(火)まで、パルテノン多摩2階オープンスタジオで開かれた特別展「多摩市の生きもの大集合!~市民が調べた多摩市の生物多様性~」に、当センターは企画制作協力として参加しました。

    この特別展は、多摩市生きもの調査隊が市民の手で集めてきた観察記録をもとに、多摩市の生物多様性の今を紹介するものです。パルテノン多摩の学芸員と一緒に、展示の構成づくりからパネルの原稿、展示物の制作、会期中の関連イベントまでを担当しました。

    展示の構成

    展示は4つの章で構成しました。

    • 第1章 生物多様性を感じてみよう
    • 第2章 調査から見えてきた多摩市の環境
    • 第3章 調査で分かった多摩市の生物多様性の今(絶滅危惧種、ホットスポット、外来種、気候変動)/都民が明らかにした東京都の生物多様性
    • 第4章 未来へ伝えたい生物多様性

    調査結果の集計や全観察地点の地図、種ごとの分布図を提供したほか、「河原の生きもの」「川の中の生きもの」「水田の生きもの」など、環境ごとの生きものを紹介する大型パネルの原稿を担当しました。

    来場者が観察した生きものを貼り出すコーナー
    来場者が参加できるコーナーも設けました

    約1,900種が並ぶ「生きものタペストリー」

    会場入口では、調査隊が記録した生きものの写真を一面に並べた、縦1.5m×横2mの「生きものタペストリー」4枚が来場者を迎えました。写真の選定や配置の作業には、調査隊員のみなさんにも協力していただきました。

    映像・音声・カメラトラップの展示

    • 映像コーナー:大型モニターで、調査隊員が撮影した多摩の生きものの動画を放映しました。
    • 音声展示:隊員がスマートフォンで録音し、iNaturalistに投稿したセミ、カエル、野鳥の鳴き声を展示しました。会期後には、YouTube「東京生きものチャンネル」でも公開しています(下記)。
    • カメラトラップの展示:市内18か所に設置した自動撮影カメラでは3,000枚以上が撮影され、ホンドタヌキ、アライグマ、ニホンアナグマ、ハクビシンなど8種の哺乳類が記録されました。夜に活動する動物たちを、カメラとともに紹介しました。

    会場で展示した鳴き声は、会期後にYouTubeで公開しました。

    多摩市で聴く野鳥27種のコーラス

    多摩市のセミしぐれ6種

    多摩市の夜に響くカエル8種の大合唱

    会期中の関連イベント

    展示解説の様子
    展示解説の様子
    • 展示解説(6月28日、7月5日、7月20日):学芸員と渡辺が会場を案内し、希望者にはiNaturalistの使い方も紹介しました。
    • 多摩市生きもの調査隊体験入隊(7月5日):iNaturalistの使い方を学んだあと、実際に外に出て生きものを記録しました。
    • 生きもの発見競争(7月21日):スマートフォンのアプリで、時間内に記録した生きものの数を競いました。子どもたちも大活躍でした。
    • 関連講演会(7月26日・27日):昆虫、哺乳類、植物、魚類、菌類の専門家とともに、渡辺も鳥類と調査隊の取りまとめについて講演しました。

    講演会や体験入隊をきっかけに、新たに調査隊に加わってくださった方もいました。

    おわりに

    37日間の会期中には、1万人近い方にご来場いただきました。市民のみなさんが一件一件積み重ねてきた記録が、展示というかたちで多くの方の目にふれる機会となりました。ご来場いただいたみなさま、制作にご協力いただいた調査隊員のみなさま、パルテノン多摩のみなさま、ありがとうございました。

    特別展「多摩市の生きもの大集合!~市民が調べた多摩市の生物多様性~」(パルテノン多摩公式サイト)

    主催:パルテノン多摩共同事業体/後援:東京都環境局・多摩市・多摩市教育委員会/協力:多摩市環境政策課・株式会社バイオーム/企画制作協力:NPO東京生物多様性センター

  • 多摩市生きもの調査隊発足!

    多摩市生きもの調査隊発足!

    2024年4月1日より多摩市とNPO東京生物多様性センターが協働で「多摩市生きもの調査隊」を立ち上げました。iNaturalistのプロジェクト機能を活用して、市民の皆様と一緒に、多摩市内の生きものの分布状況を調査します。

    4月27日に関戸公民館でキックオフイベントを開催しました。多摩市の環境部長による挨拶と趣旨説明の後、当センターのスタッフとボランティアがiNaturalistのアカウント開設や使い方について調査隊員に説明をしました。

    その後、いざ実習ということで多摩川の一ノ宮公園に移動。隊員は大人も子供さん達も熱心に写真を撮り、スマホを使って花や昆虫、野鳥の写真や音声をアップロードしました。実習の時間だけで19名の調査隊員が258件の観察を投稿し100種(調査時点)が記録されました。多摩川の生きものの多様さに驚きの声があがりました。

    当日の多摩川一ノ宮公園でiNaturalistに投稿された結果はこちら。

    これから調査隊員は市内のそれぞれのフィールドでiNaturalistを使って調査結果を投稿します。どんな生きものが投稿されるでしょうか。楽しみです。最新状況はリアルタイムで多摩市生きもの調査隊のサイトで見ることができます。この結果は解析の上、多摩市の環境施策へ反映するための基礎情報となる予定です。

  • 多摩市生きもの調査隊キックオフイベント参加者募集

    多摩市生きもの調査隊キックオフイベント参加者募集

    NPO東京生物多様性センターでは2020年から多摩市内の生きものの情報を集めています。

    2024年4月1日より「多摩市生きもの調査隊」として、多摩市と共同でiNaturalistプロジェクトを使って調査を行うこととなりました!

    調査隊員は随時募集中です。すでに観察情報が集まりはじめています。
    調査隊員、全てのiNaturalistユーザーからの情報をお待ちしています。

    集まった生きもの情報は、多摩市の施策にも反映できるような分析をします。市民科学で解き明かしていきましょう!

    キックオフイベントを4月27日に開催します。リンク先の多摩市ホームページより申込みが必要です。

    (キックオフイベントに参加できない方も調査隊員に登録できます)

    イベントちらしPDF

    開催日2024年4月27日(土曜日)
    開催時間午前9時 から 正午 まで
    集合場所関戸公民館第1学習室
    対象生きものに関心のある方(小学3年生以下は要保護者同伴)
    初心者も詳しい人も歓迎
    講師渡辺仁(NPO東京生物多様性センター)
    定員40人(応募者多数の場合は抽選)
    持ち物スマートフォン、飲み物、歩きやすい靴と服装
    申込期間令和6年4月1日(月曜日)~15日(月曜日)
    多摩市生きもの調査隊隊員キックオフイベント